晴天
肩の荷が降りたような天気に
引き戻す自分を感じながら
かさぶたが取れていく
いちばんいい形で残る跡を
いつか忘れてしまうくらい
隣の笑顔を集めようか
ひとつひとつの時間を
愛しながら
名も知らぬ花たちよ
生きづらいと感じたなら
その日は何もしなくていい
ただ野花のように息をして
陽を浴びて空の向こうを見上げてみて
指先からこぼれても
だれのせいでもないのだから
自然はそれでも
生きている
名も知らぬ花たちは
生きるために
生きていく
生命
生きれなくなれば
命は終わる
それなら
命の始まりはどこから?
宿る命と生きる命
生きたかったはずなのに
終わらせたあの日
どんな明日だったのだろうか
君との毎日は
愛することがわからない
時間が過ぎるがごとく生きていく
終わらせたいと願うのに
誰の許しがいるのだろう
どんなに愛しても
どんなに悔やんでも
人は必ず忘れていく
哀しみや後悔を置いて
上書きしながら忘れていく
寂しさを持ちきれずに
代わりを求めて歩いてく
生きていくって
そうゆうことなんだ
相応
相応って言葉
何を基準に相応とするのか
わからないけど
半世紀生きてきて
今さら愛をかまえるほどの
幼さはなく
明日が眩しくなるような
青さもない
だからこそ
今の自分相応の生き方を
肩に引っかけながら
重ねて生きていく
沈黙と秘密
沈黙は時には伝わらず
もどかしいものだけど
沈黙がしあわせを生み出すこともある
知らなくていいこともある
忘れていいこともある
そのためには
ぼくは沈黙を続けよう
心の深淵を覗きそうになる
引きずり出したい時もある
それでもぼくは沈黙のまま
だからきみは沈黙のまま
秘密にならないくらい
胸の底に落としていよう
人
人はいつまでも
間違えながら生きている
だから人は死ぬまで
人間なんだよ
鏡
鏡の中のキミは
いろんな僕を知っている
抱かれた幼子と
愛された日々
あの頃のぼくらは
笑っていた
夢を見て
恋をして
惹かれ合いながら
交ざり会う
鏡の中のキミは
寂しそうな瞳をしてる
そうだろうね
大事なはずなのに
消えない傷を与えてばかり
鏡に映った
二人のままでいたかったね
キミの瞳に映ったままの
僕ならばよかったのに
僕は裏返しに
生きてしまったのかもしれない